デジタルクーポンの作り方|個人店が今日から発行する3つの方法

デジタルクーポンは、方法さえ選べば今日中に発行できます。専門知識も、アプリの開発も必要ありません。個人店が現実的に選べる手段は3つで、うち2つは初期費用0円から始められます。

この記事では、その3つの方法の費用と手順を具体的に比べたうえで、実際に作る前に決めておくべき4つの条件を解説します。手順そのものより、この4つの条件のほうが結果を左右します。

デジタルクーポンとは|紙のクーポンと何が違うのか

デジタルクーポンとは、紙に印刷せず、スマートフォンの画面上で表示・利用するクーポンのことです。仕組みとしては、LINEのトーク画面に届くもの、QRコードを読み込むと表示されるもの、グルメサイトのページに掲載されるものなどがあります。

紙との一番の違いは、発行してからも内容を変えられることです。紙のクーポンは刷った瞬間に内容が固定されますが、デジタルなら「今週は割引額を下げよう」「雨の日だけ特典を増やそう」といった調整が即座にできます。

紙のクーポンデジタルクーポン
印刷コスト枚数分かかる0円
配布の手間手渡し・ポスティングが必要配信または掲示のみ
内容の変更刷り直しが必要その場で変更できる
利用状況の把握手集計自動で記録される
お客様の手間持参が必要スマホがあればよい
紛失・忘れ起こりやすい起こりにくい

一方で、デジタルにも弱点はあります。お客様側にスマートフォンの操作が発生するため、操作が複雑な方式を選ぶと、レジで手間取って行列を作ることになります。方法を選ぶときは、店側の管理のしやすさだけでなく、お客様の操作が何ステップで済むかを必ず確認してください。

作り始める前に決めておく4つのこと

どの方法を選ぶにせよ、設定画面で必ず聞かれるのがこの4つです。ここを曖昧なまま作ると、あとから「割引しすぎて利益が残らない」「有効期限が長すぎて誰も使わない」といった問題が起きます。

① 割引額

最も間違えやすいのがここです。他店の真似で「とりあえず10%オフ」と決めてしまうと、原価率によっては粗利が減ります。判断の基準は次の式です。

割引額 < 追加購入が見込める金額 ×(1 − 原価率)

原価率30%の店が400円の追加購入を見込むなら、割引額の上限は280円です。同じ条件でも原価率60%の店なら160円までしか出せません。詳しい計算はクーポンで儲かる仕組みで解説しています。

② 利用条件(最低購入金額)

無条件のクーポンは、もともと買う予定だった商品を安くするだけになります。「1,200円以上のご利用で200円引き」のように最低購入金額を設定すると、お客様が「あと少しで使える」と考えて一品追加する動機が生まれます。

目安は、現在の客単価より2〜3割ほど上の金額です。高すぎると誰も届かず、低すぎると条件の意味がなくなります。

③ 有効期間

長ければ使われる、というものではありません。「いつでも使える」は、お客様にとって「今使わなくていい」と同じ意味です。次回来店を促したいなら1〜2ヶ月、その場で使ってほしいなら当日限りが目安になります。

④ どこで渡すか

会計時に渡すのか、来店前に配信するのかで、クーポンの役割が変わります。会計時なら再来店のきっかけ、来店前なら新規客の背中を押す施策です。

この4つが決まっていれば、実際の作成作業は10分程度で終わります。

個人店が選べる発行方法は3つ

デジタルクーポンを発行する手段はいくつもありますが、個人経営の店舗が現実的に選べるのは次の3つです。

LINE公式アカウントQRコード型のクーポンシステムグルメサイトのクーポン枠
初期費用0円0円〜掲載プランによる
月額費用0円〜15,000円1,000円前後〜掲載料に含まれる
お客様の手間友だち追加が必要QRコードを読むだけサイト会員登録が必要な場合あり
準備にかかる時間30分〜1時間10分程度契約手続きが必要
届く相手友だち登録した人来店中のお客様サイトを見ている人
向いている店すでに友だちがいる店会計時に渡したい店新規客を増やしたい店

大きな違いは「誰に届くか」です。LINEは友だち登録した人にしか届かず、グルメサイトはまだ来店したことがない人に届きます。QRコード型は、いま店内にいるお客様に対して会計時に渡す方式です。

新規集客が目的ならグルメサイト、再来店が目的ならLINEかQRコード型、というのが基本的な選び分けになります。

3つの方法のうち、手間がいちばん少ないのはどれか。

レジ横にQRコードを置くだけの方法なら、アプリの開発も、会員管理も必要ありません。
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方法別の具体的な手順

① LINE公式アカウントで作る

すでに友だちがいる店舗なら、まずこれを検討してください。クーポン機能は無料プランでも使えます。

料金プランは3つあり、違いは配信できるメッセージ数だけです(LINEヤフー公式の料金ページより、2026年9月時点・税別)。

プラン月額無料メッセージ数
コミュニケーション0円月200通
ライト5,000円月5,000通
スタンダード15,000円月30,000通(超過分は追加料金)

注意したいのは無料プランの上限です。友だちが200人いる場合、全員に一斉配信すると月200通の枠を1回で使い切ります。月に複数回配信したいなら、有料プランか、配信先を絞る運用が必要になります。

LINEヤフーは2026年10月1日に追加メッセージ料金の改定を予定しています。スタンダードプランで超過分を使う運用を検討している場合は、最新の料金は上記の公式ページで確認してください。

作成手順は次のとおりです(公式マニュアルの設定項目に沿っています)。

  1. LINE Official Account Manager にログインし、メニューから「クーポン」を開く
  2. 「作成」を押し、クーポン名(60文字以内)を入力する
  3. 有効期間、画像、利用方法(利用条件の説明)を設定する
  4. 使用回数、クーポンコード、クーポンタイプ(5種類の色分け)を選ぶ
  5. 必要なら抽選設定で当選確率と当選人数を指定する
  6. 保存し、メッセージ・LINE VOOM・応答メッセージのいずれかで配信する

画像は10MBまでアップロードできますが、表示速度を考えると1MB以下が推奨です。抽選機能を使えば「10人に1人が当たり」といった演出もできます。

弱点は、友だちがいなければ配信先がないことです。友だちを集める段階からスタートする場合、クーポンを作っても届く相手がいません。その場合は次の方法のほうが早く効果が出ます。

② レジ横のQRコードで発行する

店側が事前に割引内容を登録し、専用のQRコードを印刷してレジ横に置いておく方式です。お客様は会計時にスマートフォンで読み込むだけで、その場でクーポンが表示されます。

お客様側の操作はQRコードを読むだけなので、アプリのインストールも会員登録も発生しません。レジで手間取りにくく、年齢層の高いお客様にも案内しやすいのが利点です。

手順は3ステップです。

  1. 管理画面で割引金額を登録する(複数パターンを登録できるサービスもある)
  2. 発行された専用QRコードを印刷する
  3. レジ横に設置する

準備は10分ほどで終わり、設定を変えたい日はその場で管理画面から変更できます。ランダム表示に対応したサービスなら、割引額ごとに発生確率を設定して「何が出るか分からない」演出を加えることもできます。

弱点は、来店したお客様にしか届かないことです。新規客を呼び込む用途には向かず、再来店とその場の客単価アップに特化した方法だと考えてください。

③ グルメサイトのクーポン枠を使う

食べログやホットペッパーなどに掲載している店舗なら、掲載プランの中でクーポンを発行できます。すでに契約しているなら追加費用なしで使えます。

最大の利点は、まだ来店したことがない人に届くことです。一方で、クーポン目当てで一度きり来店する客層が増えやすく、掲載をやめると効果もゼロに戻ります。掲載料に見合うかは、来店数だけでなくリピート率まで見て判断する必要があります。

発行後によくある3つの失敗

お客様が使い方を理解できない

スタッフが説明しないと使えないクーポンは、忙しい時間帯に必ず使われなくなります。レジ横に「QRコードを読み取ってください」と一言書いた紙を置く、あるいはスタッフの声かけを一文に決めておくだけで利用率は変わります。

有効期限が長すぎて忘れられる

3ヶ月や半年の有効期限を設定すると、お客様は「まだ使える」と考えて先延ばしにし、そのまま忘れます。短めに設定して、使い切ったら次を渡すほうが再来店の間隔は縮まります。

割引額を途中で変えられない

紙で刷ってしまうと、売上が落ちた月に割引を厚くしたくても対応できません。デジタルを選ぶ意味は状況に応じて条件を変えられる点にあるので、管理画面から即座に変更できるかどうかは選定時に確認してください。

よくある質問

Q. デジタルクーポンの作成に専門知識は必要ですか

必要ありません。紹介した3つの方法はいずれも管理画面から入力するだけで、HTMLやデザインの知識は不要です。画像も、用意できなければ設定しないまま発行できます。

Q. 無料で始められますか

LINE公式アカウントのコミュニケーションプランは月額0円で、クーポン機能も使えます。ただし配信できるメッセージは月200通までです。QRコード型のサービスは月額1,000円前後から提供されているものがあります。

Q. 紙のクーポンはもう不要ですか

用途によります。地域にポスティングして認知を広げたい場合、紙のほうが確実に届きます。一方、来店中のお客様に渡して再来店につなげる用途なら、印刷や管理の手間がないぶんデジタルが有利です。

Q. 何割引にするのが正解ですか

決まった正解はなく、原価率によって変わります。この記事の「割引額」の項で紹介した式に、自店の原価率を当てはめて計算してください。

Q. 作ったあと、効果はどう測ればいいですか

最低限、利用枚数と、クーポン利用時の平均会計額の2つを記録してください。利用枚数が伸びないなら渡し方の問題、平均会計額が上がらないなら最低購入金額の設定を見直します。

まとめ

デジタルクーポンの発行そのものは、10分から1時間程度で終わる作業です。難しいのは手順ではなく、割引額・利用条件・有効期間・渡す場所の4つをどう決めるかにあります。

特に割引額は、他店の真似ではなく自店の原価率から逆算してください。ここを外すと、どれだけクーポンが使われても利益は残りません。

方法の選び分けはシンプルです。友だちがすでにいるならLINE公式アカウント、会計時に渡して再来店につなげたいならQRコード型、新規客を呼びたいならグルメサイト。目的が再来店なら、お客様の操作が少ない方式ほど実際に使われます。

レジ横にQRコードを置くだけで始められるEASY COUPONは、お客様のアプリインストールも会員登録も不要で、最低購入金額と割引額の設定を管理画面から変更できます。ランダム表示にも対応しているため、「今日は何が出るか」という体験を再来店のきっかけにできます。

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