リピーターを増やす方法|個人店が「また来たい」を仕組みにするコツ

リピーターを増やす取り組みで最初につまずくのは、施策ではなく現在地が分からないことです。自店のリピート率を知らないまま「リピーターを増やそう」と動いても、効果があったのか判断できません。

この記事では、リピート率の測り方から、最大の壁である2回目の来店をどう越えるか、そして値引きに頼らずに再来店を仕組み化する方法までを、個人店向けに順を追って解説します。

リピーター・常連客・再来店は何が違うのか

この3つは混同されがちですが、指しているものが違います。施策を考えるときは区別しておいたほうが、打ち手がはっきりします。

意味目安店側の関わり方
再来店1度来たお客様がもう1度来ること2回目の来店きっかけを渡す
リピーター継続的に来店してくれるお客様3回以上思い出してもらう
常連客店との関係ができているお客様来店が習慣になっている関係を保つ

順番としては、まず再来店があり、それが続いてリピーターになり、さらに時間をかけて常連客になります。いきなり常連客を作ろうとしても飛び級はできません。

そして、この階段で最も脱落が多いのは1段目です。多くの店が「常連客を増やしたい」と考えますが、実際に手を打つべきなのは2回目の来店です。

自店のリピート率を測る

「飲食店のリピート率の平均は何%か」を調べても、あまり意味のある答えは出てきません。居酒屋とカフェ、駅前と住宅街、ランチ主体と夜主体では前提がまったく違うためです。

比べるべきは他店の平均ではなく、自店の先月の数字です。まずは測れる状態を作ってください。計算式は3つあります。

① リピート率

期間内に2回以上来店した人数 ÷ 期間内に来店した総人数

最も基本的な指標です。1ヶ月単位で見ると季節変動に振り回されるので、3ヶ月単位で見ると傾向がつかみやすくなります。

② 新規客の再来店率

期間内に再来店した新規客の数 ÷ その期間の新規客の数

この記事で最も重要な指標です。新規客が2回目に来ているかどうかを直接見ます。ここが低いまま新規集客に投資しても、穴の空いたバケツに水を注ぐことになります。

③ 平均来店回数

期間内の総来店数 ÷ 期間内に来店した人数

リピーターの「濃さ」が分かります。同じリピート率でも、月1回来る人が多いのか月4回来る人が少数いるのかで、打つべき手は変わります。

POSや予約システムがない店舗でも、スタンプカードの発行枚数と回収枚数、あるいはクーポンの発行数と利用数からおおよその傾向はつかめます。正確さより、毎月同じ方法で数えて比較できることのほうが重要です。

最大の壁は「2回目の来店」

お客様が満足していても、それだけでは再来店しません。満足と再来店は別の話だからです。

初めて来店したお客様の多くは、店に不満があって来ないのではなく、単純に忘れています。「よかったからまた行こう」と思ったその気持ちは本物ですが、日常に戻れば数日で薄れます。

30日を意識する

目安として、初来店から30日以内に2回目の来店があるかどうかを一つの区切りにしてください。この期間を過ぎると、店の記憶は他の情報に埋もれていきます。

だからこそ、思い出してもらう仕掛けを、忘れられる前に渡しておく必要があります。会計の瞬間はその最後のチャンスです。

会計の最後まで、体験は続いている

料理や接客がどれだけよくても、会計が事務的に終われば、お客様の記憶に残るのはその温度です。逆に、最後にひとつ小さな楽しみがあると、その印象が全体の記憶を上書きします。

再来店の設計とは、この「最後の数十秒」に何を置くかを決めることだと考えてください。

2回目の来店をつくるのは、会計の最後の30秒です。

会計時にQRコードを読み取ってもらうと、その場で割引が表示されます。「次に来る理由」を、渡す手間なく渡せます。
EASY COUPONを見る(初期費用0円・月額1,000円)

来店回数ごとに、やることは違う

同じ「リピーター施策」でも、1回目のお客様と3回目のお客様では効く手が違います。全員に同じことをしていると、どちらにも中途半端になります。

来店回数お客様の状態店がやるべきことやりがちな失敗
1回目店を試している。まだ比較対象次に来る理由を渡すいきなり常連扱いして距離を詰めすぎる
2回目悪くなかったと感じている前回と同じ品質を出す2回目だけ特別扱いして基準を上げてしまう
3回目以降選択肢の1つとして定着覚えていることを伝える慣れて案内や声かけが雑になる
来店が途切れた忘れている。不満とは限らない思い出すきっかけを届ける来なくなった理由を推測して落ち込む

特に注意したいのが2回目です。ここで前回と違う体験になると、お客様は「たまたま良かっただけか」と判断します。2回目に必要なのは新しい驚きではなく、前回と同じ水準です。

そして来店が途切れたお客様について、多くの場合その理由は不満ではありません。生活が変わった、たまたま前を通らなくなった、単に忘れた。そのどれかです。だからこそ、思い出す手がかりが残っているかどうかが効いてきます。

リピーターが増える店に共通する4つのこと

① 覚えてもらえる特徴がある

「あの角の店」ではなく「あの卵サンドの店」と言ってもらえるかどうかです。味でも、店主の人柄でも、席の居心地でもかまいません。人に説明できる特徴が1つあると、思い出す手がかりになります。

② 次に来る理由が渡されている

「またお願いします」だけでは理由になりません。次回使えるクーポン、季節限定の予告、次の入荷の話など、次に来る具体的な理由が手元に残っているかどうかで再来店率は変わります。

③ 来店のハードルが低い

予約が必要、席が空いていない、支払いが面倒。こうした小さな摩擦は、2回目の来店を止める理由として十分です。常連には気にならないことが、2回目のお客様には障害になります。

④ 続けられる仕組みになっている

リピーター施策は、忙しい日ほど手が回らなくなります。オーナーが覚えていないと動かない施策は、繁忙期に必ず止まります。手を動かさなくても続くことが、個人店では効果の大きさより優先されます。

今日から始める再来店の仕組み

順番に意味があります。上から着手してください。

1. 会計時に「次に来る理由」を渡す

最も効果が早い施策です。次回使えるクーポンを会計時に渡すだけで、来店の理由が物理的に残ります。有効期限は1〜2ヶ月が目安で、長すぎると「まだ使える」と思われて忘れられます。

2. 覚えてもらう一言を決める

スタッフによって案内がバラバラだと伝わりません。「次回はこちらをお使いください」など、全員が同じ一言を言える状態にしておきます。

3. 来店後もつながる導線を作る

LINE公式アカウントやGoogleビジネスプロフィールは、来店後に思い出してもらうための接点です。詳しくはLINE公式アカウント活用術Googleビジネスプロフィール集客方法で解説しています。

4. 数字を毎月記録する

前章の3つの指標を毎月同じ方法で記録してください。3ヶ月続ければ、どの施策が効いたのかが見えてきます。

値引きを厚くしてもリピーターは増えない

割引額を大きくすれば来店は増えます。しかしそれで来た人は、割引がなくなれば来なくなります。価格で選んだお客様は、価格でしか判断しないためです。

割引はあくまで思い出すきっかけであり、来店の理由そのものではありません。割引額をいくらにすべきかは、粗利から逆算して決めます。計算方法はクーポンで儲かる仕組みにまとめています。

再来店を増やすチェックリスト

  • 新規客の再来店率を数字で把握している
  • 会計時に「次に来る理由」を渡している
  • クーポンの有効期限が1〜2ヶ月に収まっている
  • 割引額を粗利から逆算して決めている
  • スタッフ全員が同じ案内をできる
  • 来店後に思い出してもらう接点がある
  • 忙しい日でも止まらない仕組みになっている

空欄が多いほど、伸びしろがあります。すべてを一度に埋める必要はありません。上から順に1つずつで十分です。

よくある質問

Q. リピート率は何%あればいいですか

業態や立地で前提が違うため、目標にすべき共通の数字はありません。比べる相手は他店ではなく先月の自店です。3ヶ月続けて上がっていれば、施策は効いています。

Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか

会計時にクーポンを渡す施策なら、2回目の来店として現れるのは早くて2週間、多くは1〜2ヶ月後です。3ヶ月の記録が溜まって初めて傾向として判断できます。

Q. 常連客が増えるまではどのくらいですか

来店が習慣になるには、一般的に数回の来店の積み重ねが必要です。まずは2回目、次に3回目と、段階ごとに分けて考えてください。

Q. 個人店でもリピーターは増やせますか

むしろ個人店のほうが有利です。顔を覚える、前回の注文を覚えているといった対応は、大型チェーンには真似できません。仕組みで補うべきなのは「思い出してもらう部分」だけです。

Q. 何から手を付ければいいですか

新規客の再来店率を測ることからです。数字がないと、施策を変えたときに良くなったのか悪くなったのかが分かりません。

まとめ

リピーターを増やす取り組みは、測る、渡す、続けるの3つに集約されます。

まず新規客の再来店率を測って現在地を知る。次に会計時に「次に来る理由」を渡す。そしてそれを、忙しい日でも止まらない形にする。この順番を飛ばして施策だけを増やしても、効果は判断できません。

最初の壁である2回目の来店を越えられれば、そこから先は積み重ねです。まずは新規のお客様が30日以内にもう1度来ているか、そこから確認してみてください。

会計時に渡す仕組みとしては、EASY COUPONのようにレジ横のQRコードを読み取るだけでクーポンが表示される方式なら、スタッフの作業が増えません。お客様側もアプリのインストールや会員登録が不要なので、2回目の来店のハードルを上げずに済みます。

関連記事