スタンプカードの無料テンプレートと作り方|紙とアプリはどちらが得か

スタンプカードを作ろうと思ったとき、最初に探すのはテンプレートです。無料のものはたくさんあります。

ただ、テンプレートを選んだ時点では、まだ何も決まっていません。スタンプを何個で1回の特典にするか、特典を何にするか、有効期限をどうするか。ここを決めずに作ると、あとから変更できないカードが500枚手元に残ります。この記事では、印刷にかける前に決めるべきことを順番に扱います。

無料テンプレートはどこにあるか

デザインから作る必要はありません。名刺サイズのテンプレートが無料で使えるツールがあります。

入手先特徴向いている人
Canvaポイントカードのテンプレートが多数。ブラウザで編集して印刷用データを書き出せるデザインを一から作りたくない人
ネット印刷会社のテンプレート印刷を頼む会社が用意しているもの。入稿でのトラブルが起きにくいその会社で印刷まで頼む人
表計算ソフトで自作枠を並べるだけ。無料で、修正も自由とりあえず10枚だけ試したい人

最後の「自作」を軽く見ないでください。最初の1〜2ヶ月は、手書きのカードで試すほうが合理的です。スタンプの個数や特典の内容は、やってみないと適正が分かりません。500枚刷ってから間違いに気づくと、直すのに数千円と数週間かかります。

印刷の前に決める5つのこと

デザインより先に、この5つを決めてください。逆にここさえ決まっていれば、デザインは何でもかまいません。

① スタンプ何個で特典か

もっとも重要で、もっとも感覚で決められがちな項目です。これは粗利から逆算できます。

1来店あたりの負担 = 特典の原価 ÷ 必要なスタンプ数

客単価1,000円の店で計算すると、こうなります。カッコ内は客単価に対する比率です。

特典の店側負担5個で1回10個で1回20個で1回
300円60円(6.0%)30円(3.0%)15円(1.5%)
500円100円(10.0%)50円(5.0%)25円(2.5%)
1,000円200円(20.0%)100円(10.0%)50円(5.0%)

目安は客単価の3〜5%です。10%を超えると、通ってくれるお客様ほど粗利を削る構造になります。

一方で20個は多すぎます。ゴールが遠すぎると、そもそも貯める気になりません。週1回来る店なら5ヶ月、月1回の店なら1年半かかる計算です。多くの店にとって10個前後が現実的な着地点になります。

② 特典を「値引き」にするか「おまけ」にするか

同じ「500円相当」でも、店の負担はまったく違います。

特典の内容お客様が感じる価値店の実際の負担
500円引き500円500円
500円のドリンク1杯無料(原価率25%)500円125円
500円のデザート1品無料(原価率30%)500円150円

おまけのほうが、同じ価値を4分の1のコストで渡せます。これは値引きが額面そのままなのに対し、現物は原価分しかかからないためです。

ただし景品表示法の扱いは値引きとおまけで異なり、おまけには金額の上限があります。詳しくは飲食店の割引は何割が適正?にまとめています。

③ 有効期限を入れるか

入れてください。期限のないカードは、店の側に無期限の債務として残り続けます。3年前のカードを持ってこられても断れません。

目安はゴールまでにかかる期間の1.5〜2倍です。週1来店で10個なら、10週間の1.5〜2倍で4〜5ヶ月。短すぎると諦められ、長すぎると忘れられます。

④ カードに何を書くか

小さなカードなので、入れる情報は絞ります。最低限これだけです。

  • 店名(屋号だけでよい。ロゴがなくても成立します)
  • スタンプ枠(個数が一目で分かること)
  • 特典の内容(「10個で◯◯無料」の1行)
  • 有効期限(発行日を書く欄でも可)
  • 電話番号か地図が分かる情報

営業時間やSNSのIDは入れないでください。変わったときにカードが刷り直しになります。変わりうる情報をカードに載せないのが、長く使うコツです。

⑤ 何枚刷るか

最初は2〜3ヶ月で配り切る枚数にしてください。1日10枚配る店なら、3ヶ月で900枚です。

まとめて刷ると1枚あたりは安くなりますが、途中で条件を変えたくなったときに全部が無駄になります。1回目は割高でも少なく刷るほうが、結果的に安く済みます。

スタンプを押す時間は、いちばん忙しい瞬間に集中します。

押す作業のない形にすると、この時間がまるごとなくなります。レジ横にQRコードを置くだけです。
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紙のカードの本当のコスト

紙のスタンプカードのコストというと印刷代が思い浮かびますが、実際に効いてくるのは押す作業の時間です。

カードを出してもらい、スタンプを押し、返す。1組あたり15秒として計算します。

1日の組数1日あたり1ヶ月(25日)時給1,200円換算
20組5.0分約2.1時間月 2,500円 / 年 30,000円
30組7.5分約3.1時間月 3,750円 / 年 45,000円
50組12.5分約5.2時間月 6,250円 / 年 75,000円

この時間は、いちばん忙しい会計の瞬間に発生します。行列ができている時間帯に1組15秒は、体感ではもっと長く感じます。

店主が自分でやっている場合、この人件費は帳簿に出てきません。出てこないコストの扱いについては個人経営の飲食店が儲からない理由で詳しく書いています。

紙・アプリ・その場で完結、どれを選ぶか

3つの方式を、店側の負担で比べます。

紙のカードスタンプカードアプリその場で完結する仕組み
初期費用印刷代0〜数万円0円のものが多い
月額なし数千〜数万円1,000円程度から
レジでの作業出す・押す・返すアプリを開いてもらうQRを読み取ってもらう
お客様の手間持ち歩くインストールと会員登録なし
忘れられるカードを忘れるアプリを消される忘れようがない
効果測定できないできるできる

紙が不利なのは、「持ち歩いてもらう」ことを前提にしている点です。財布に入れてもらえた枚数しか機能せず、その率は店から見えません。

アプリはこの問題を解決しますが、代わりにインストールと会員登録という壁が入口に立ちます。個人店の場合、この壁でほとんどのお客様が止まります。

各社の料金は個人店向けクーポンシステム比較で、公式ページの数字だけを集めて比較しています。

それでも紙が向いている店

紙を否定する話ではありません。次の条件に当てはまるなら、紙のほうが合っています。

  • 1日の来店組数が10組以下 ── 押す時間が積み上がらない
  • 常連の顔と名前が全員分かる ── カードを忘れても対応できる
  • お客様の年齢層が高い ── スマホでの操作を求めないほうが親切な場合がある
  • カード自体が店の雰囲気に合う ── 手書きのカードが土産物になる店もあります

逆に、ピーク時に行列ができる店と、1人で回している店は紙が続きません。押す時間が、いちばん余裕のない瞬間に集中するためです。

よくある質問

Q. スタンプは何個が正解ですか

特典の負担が客単価の3〜5%に収まる個数です。客単価1,000円で500円相当の特典なら10個が目安になります。感覚ではなく、この計算で決めてください。

Q. スタンプの代わりにシールでもいいですか

かまいませんが、作業時間はほぼ同じです。シールを貼るほうが1〜2秒長くなります。

Q. 途中で条件を変えたくなったらどうしますか

配布済みのカードは、期限まで元の条件で受け付けてください。新しい条件は新しいカードからです。ここを混ぜると必ずトラブルになります。

Q. カードを忘れたお客様にはどう対応しますか

対応を先に決めて、レジに書いておいてください。「レシートを持参で次回押します」が扱いやすい形です。その場の判断に任せると、対応がぶれて不満の原因になります。

Q. デザインにこだわるべきですか

必要ありません。財布に入れてもらえるかを決めるのは、デザインよりサイズと厚みです。名刺サイズを超えないようにしてください。

まとめ

テンプレートは無料で手に入ります。決めるべきなのは、その前の5つです。スタンプの個数・特典の種類・有効期限・記載内容・印刷枚数。

個数は粗利から逆算します。1来店あたりの負担 = 特典の原価 ÷ 必要なスタンプ数。客単価の3〜5%が目安で、10%を超えたら設計を見直してください。

そして特典は、値引きよりおまけのほうが同じ価値を安く渡せます。500円引きの負担は500円ですが、500円のドリンクなら125円程度です。

最初は手書きの10枚から試してください。500枚刷るのは、条件が正しいと分かってからで間に合います。

EASY COUPONは、レジ横のQRコードを読み取るだけで、その場で割引が表示されます。印刷もスタンプを押す時間も、カードを持ち歩いてもらう必要もありません。初期費用0円・月額1,000円です。

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