飲食店の販促アイデア|レジ横だけでできる低コスト施策

販促アイデアを探して記事を読むと、たいてい20個も30個も出てきます。そして、ひとつも実行されないまま終わります。

アイデアが足りないのではありません。個人店に足りないのは、それを毎日続ける手です。この記事では対象をレジ横だけに絞ります。追加の作業時間がほぼゼロで、全員に届く場所だからです。

「販促」と「集客」を分けると、やることが決まる

この2つは混同されがちですが、対象が違います。

対象目的効果が出るまで
集客まだ来ていない人来店してもらう3〜6ヶ月
販促いま店にいる人行動をもう1つ増やす即日〜1ヶ月

集客は時間もお金もかかります。一方で販促は、すでに来ている人が対象なので、明日から効果が出ます。

そして個人店にとって重要なのは、販促のほうが安くて速いことです。新規客を1人呼ぶコストと、いま目の前にいるお客様にもう一品頼んでもらうコストは、桁が違います。

集客側のアイデアを探している場合は、飲食店の集客アイデア15選面白い集客アイデア10選のほうが役に立ちます。ここから先は、来店したお客様に対して何ができるかの話です。

なぜレジ横なのか

店内で販促に使える場所はいくつもありますが、レジ横だけが3つの条件を同時に満たします。

  1. 全員が必ず通る ── 席に着かない人はいても、会計しない人はいません
  2. お客様の手が空いている ── 支払いを待つ数十秒は、店内で唯一「見るしかない時間」です
  3. 会計は体験の締めくくり ── 最後に起きたことが、その日の印象として残ります

場所ごとに比べると、差がはっきりします。

場所届く人数必要な作業効きやすさ
レジ横来店客の全員置くだけ高い
テーブルPOP座った人だけ席数分の設置と交換
店頭・外看板通行人(大半は入らない)毎日の出し入れ
SNS見ている人だけ毎日の投稿低〜中
チラシ配った人だけ印刷と配布

注目してほしいのは「必要な作業」の列です。続かない販促は、たいてい毎日の手作業を伴います。レジ横だけが、一度置けば動き続けます。

レジ横でできる販促アイデア7つ

準備の軽い順に並べています。全部やる必要はありません。1つ選んで3ヶ月続けるほうが、7つを1ヶ月ずつ試すより結果が出ます。

① 「次に来る理由」を会計時に渡す

もっとも基本で、もっとも効きます。次回使えるものを、会計のときに手渡しで渡すだけです。

重要なのは手渡すことです。テーブルに置いておく、レジ横に積んでおくのでは持って帰られません。渡されたものは財布に入り、財布に入ったものは思い出されます。

② その場で結果が出るものを置く

会計のときにQRコードを読み取ると、その場で割引額が出る。この形にすると、受け取る作業そのものが小さな体験になります。

毎回同じ額の割引だと3回目には空気になりますが、金額に幅があると毎回結果を見ることになります。詳しい理屈はなぜ「ガチャ」はやめられない?に書いています。

③ 口コミの導線を1枚だけ置く

Googleの口コミページに飛ぶQRコードを、A6サイズ1枚でレジ横に置きます。「よかったら」と一言添えるだけで、投稿率は変わります。

声をかけるタイミングは会計時が最適です。食事中に頼むと急かされた印象になり、帰ったあとでは忘れられます。

④ 次回のおすすめを予告する

「来週から冬メニューが始まります」と1枚書いて置くだけです。来店の理由が期限つきで具体的になります。

季節メニューがない店でも、仕入れの都合で出せる日が限られる料理があれば同じことができます。「入荷した日だけ」は強い理由になります。

⑤ 最後の一品を提案する

テイクアウトできるもの、持ち帰れる瓶や袋詰めのものがあれば、レジ横が唯一の売り場になります。

注意点は1種類だけ置くことです。会計中に3つ並べて悩ませると、逆に何も買われません。

⑥ 常連向けのひと言を用意する

レジは、店主とお客様が必ず1対1になる場所です。「前回もありがとうございます」の一言はここで言えます。

特典も仕組みも要りません。認識されていると伝わること自体が、再来店の理由になります。常連の線引きの考え方は常連客の定義と来店頻度にまとめました。

⑦ 休業・変更を紙1枚で伝える

地味ですが効きます。「来週の火曜は休みます」を知らないまま来店して閉まっていた経験は、想像以上に来店をやめる理由になります。

SNSに書いても、常連の全員は見ていません。レジ横は、来ている人全員に確実に届く唯一の掲示板です。

7つを比べると

アイデア準備の手間毎日の負担効きやすさ
① 次に来る理由を渡す
② その場で結果が出るものなし
③ 口コミ導線なし中〜高
④ 次回の予告小(書き換え)
⑤ 最後の一品
⑥ 常連へのひと言なし
⑦ 休業の掲示小(書き換え)

迷ったら②か⑥です。どちらも毎日の負担がほぼゼロで、効果は高いほうに入ります。

レジ横に置けるもののうち、毎日の手間がゼロなのは限られます。

QRコードを1枚置くだけなら、印刷の補充もスタッフの説明も発生しません。
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続かない販促に共通する3つの条件

過去にやめてしまった販促を思い出してください。たいてい次のどれかに当てはまります。

① 毎回の印刷や書き換えが必要

最初の1ヶ月は続きます。2ヶ月目に忙しい週が来ると止まり、そのまま戻りません。「今週の」がつくものは、ほぼ続きません。

② スタッフの説明が必要

仕組みの説明に10秒以上かかるものは、忙しい日に飛ばされます。「読み取ると割引が出ます」で伝わる範囲に収めてください。

③ 効果が見えない

効果が分からないものは、やめても痛みを感じないのでやめられます。逆に言えば、数字が見えるものは続きます。

レジ横の販促は、効果を測りやすい

レジ横が優れているのは、置いた前後で比較できることです。

測るもの見方必要な記録
利用率使われた回数 ÷ 会計数正の字でも可
再来店率今月の新規のうち再来店した割合新規のメモ
客単価売上 ÷ 客数(置く前後で比較)レジの数字

比較するのは他店ではなく、置く前の自分の店です。最低でも1ヶ月ずつ並べてください。1週間では曜日と天候で振れます。

測り方の詳細は飲食店のリピーター率の平均で解説しています。

やってはいけない置き方

情報を詰め込む

レジ横に3枚も4枚も並ぶと、1枚も読まれません。会計中に読める量は1つです。増やしたくなったら、いま置いてあるものと入れ替えてください。

会計の動線を塞ぐ

カードやトレーを置く場所が狭くなると、スタッフが自分でどかすようになります。邪魔になったものは1週間で消えます。

期限切れのまま放置する

終わったキャンペーンの紙が残っている店は、掲示そのものが信用されなくなります。置くときに、外す日も決めてください。

効果が出る前にやめる

1週間で判断しないでください。会計のたびに1回しかチャンスがないので、来店周期を1周する時間が必要です。最低1ヶ月、できれば3ヶ月は続けます。

よくある質問

Q. レジがカウンターにない店でもできますか

会計をする場所であればどこでも同じです。テーブル会計なら、伝票を挟むトレーやレシートと一緒に渡す形になります。大切なのは場所ではなく、会計のタイミングで渡すことです。

Q. 何個まで同時に置けますか

2つまでです。3つ目からは平均的な注目度が下がって、全体の効果はむしろ落ちます。

Q. デザインは自作でも大丈夫ですか

問題ありません。むしろ手書きのほうが読まれる場合もあります。整っていることより、1行で分かることのほうが重要です。

Q. 費用はどれくらいかかりますか

①③④⑥⑦は紙とペンで始められます。②のようにその場で結果が出る仕組みは、月1,000円程度から導入できるサービスがあります。比較は個人店向けクーポンシステム比較にまとめています。

Q. 効果がなかったらどうすればいいですか

置くものを変える前に、渡し方を変えてみてください。置いてあるだけのものを手渡しに変えるだけで、結果が変わることがよくあります。

まとめ

販促アイデアが実行されない理由は、数が足りないからではなく続ける手が空いていないからです。だから場所をレジ横に絞ります。全員が通り、手が空いていて、一度置けば動き続けます。

やることは7つ挙げましたが、選ぶのは1つで十分です。迷ったら「その場で結果が出るものを置く」か「常連にひと言かける」。どちらも毎日の負担がありません。

そして、置く前の自分の店と比べてください。判断は最低1ヶ月、できれば3ヶ月待ってからです。

EASY COUPONは、レジ横にQRコードを置くだけで、読み取ったお客様にその場でランダムな割引が表示されます。印刷もスタッフの説明も要らず、読み取り回数がそのまま効果の記録になります。初期費用0円・月額1,000円です。

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